2月 29 2012
江戸時代の俳聖・松尾芭蕉は,貞享4年(1687年),その禅の師である仏頂禅師に会うため,鹿島地方を訪れています。芭蕉の鹿島来訪当時仏頂禅師が住職をしていたのが今回訪れていただく大儀寺です。

芭蕉が禅の師として尊敬した仏頂禅師は,常陸国,現在の鉾田市札の出身。鹿嶋市の根本寺の住職を貞享元年に辞し,当時大儀庵といった同寺に移り,宝光山大儀寺と名称を改めた中興の祖とされます。その後仏頂禅師は,貞享4年末まで大儀寺の住職をしていました。

芭蕉が月見をしようと鹿島の地を訪れたのが貞享4年。仏頂禅師の寺に宿して,月見をした様子が「鹿島紀行」に記されていますが,次の俳句及びその前文からは,師を尊敬していた様子及び当日の雨後の冴え冴えとした美しい月の姿が浮かんできます。
寺に寝てまこと顔なる月見かな 桃青

鉾田市阿玉にある大儀寺には,今回は,裏側から入っていただく形になります。表参道と名付けられた小道を通ると赤の山門に出ますが,その手前右側に下記の句が記された句碑があります。

雨に伏し竹おきかへる月見かな 曽良
月さびし堂の軒端の雨しずく 宗波

山門をくぐると正面が月見堂,左手には,仏頂禅師像があります(前掲写真)。また,月見堂の裏手はうっそうとした竹林。先ほどの曽良の句,竹林の寺に似つかわしいと大儀寺のご住職がおっしゃっておられました。

境内には句碑が179基あるそうです。全国的にも100基以上の句碑があるのは珍しいとか。これらは全国の俳人から寄せられたものです。

大儀寺は,昭和55年境内全域が「名勝史跡」として大洋村(当時)から文化財に指定されています。また,平成元年「大儀寺境内林俳句の里」として茨城自然100選に認定。毎年春(4月8日)と秋に句会が開かれています。
今回の訪問では,俳句の寺の縁起などについて,ご住職からご講話をいただけます。是非耳を傾けていただきたいと思います。

先日訪れたときには,「3月24日頃であれば,境内のしだれ梅と木蓮が咲いているのではないか。」とおっしゃっておられました。春の風情が楽しみな大儀寺へのウォーキングです。